2004年9月1日更新 |
補修工事編 | ||||||||
西暦2004年4月23日、に御近所の陶芸窯の修理依頼を受けました。 可也酷い壊し様ですが1工程づつ順番に修理すれば 元道理に戻ります。 その工程を紹介しますので、御自信の窯作りの参考にして見て下さい。 |
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見事な迄に潰れて使えない状態でした。 御本人に正式な修理見積を解答すると多分、この窯修理はしないと 思われます。(カブマツの正式な仕様だと新品依りも高額に成る為。) 唯、今回は、少し気の毒なので格安で工事をして上げました。 (今回の工事は予算の都合上不本意ながら既存の状態へ戻すだけに 留めました。) |
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煙道面の壁以外全て外し解体作業完了、ここからイヨイヨ修理開始!! |
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ここまでの作業で2日の工数が掛かりました。 |
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両側を少し食み出しぎみに、然も対象に煉瓦積みした後、台車に合せて 隙間を調整する。 隙間を広くし過ぎると下からの炉気漏れが酷く 燃料費が高く成る為神経を使って作業を進める。 通常大型炉のこの隙間はサウンドシールで密閉するので 経年劣化で多少隙間が広がっても炉気漏れの量は殆ど変化 有りません。 |
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残す所天井を積むだけ。もう一息で完了 |
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5月5日無事完成。結構残業して仕上ました。 今回の工事について この一般の方向けの陶芸窯は、 矢張り煉瓦組が頼り無い構造に成っていました。 壁厚がモルタル3mm目地で計算しても146mmしか無く 此れなら可也の熱量が外に逃げているでしょう。 カブマツで、初めから設計する場合、 (炉内寸法が800mm以上の時) 横壁は180mm又は230mm以上(目地無しの厚み)、 天井は更に厚く250~300mm以上(目地無しの厚み)を 基準に設計しますので放散熱量に可也 差が有ります。 唯、購入時の新品価格を聞けば110万円代と言う事で 納得の安さですね。 炉の修理は初めから施工する以外、解体、 ケーシングの修理費用が余分に掛かるので、新品依り 高く成るのが普通です。 陶芸窯は、鍛造炉と違い無理な操業をする事が無い (出来るだけのバーナー容量も無い)ので 大事に使えば数十年、殆ど手を加える事は有りません。 とは言ってもこのタイプの自然燃焼式バーナの付いた炉は 安全装置が無いので、常にガス漏れと爆発の危険が有ります。 細心の注意を持って操業してください。 以上工事の感想でした。 |
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工事前の仕様 | 施工後の仕様 | |
壁製缶部材 | 3×40アングル、1mm鋼鈑 | 5×40アングル、4.5mm鋼鈑 |
壁材バックアップ | シリカボード25mm 1層 | シリカボード25mm 1層 注1 |
壁断熱煉瓦 | 日の丸RA-15 | 日の丸RB-15 注2 |
天井断熱煉瓦 | 日の丸RA-15 | 日の丸RB-15 注2 |
注1 この壁の場合炉内温度1,350℃の時1層目と2層目の継ぎ目の温度は計算上617℃に成りシリカボードの安全使用温度を超えるのであまり好ましい炉材選択では無い。温度は熱伝導率をシリカボード 0.2 RA‐15 0.5の時の値 (当社使用のシリカボ-ドの最高使用温度規格は650℃、安全使用温度は460℃~500℃、今回工事でRB-15煉瓦を使用したので実際には まだ数十℃温度が上がると思わます。) 注2 炉内温度1,350℃、然も直火フレーム(火炎)が当る炉内構造の場合、(株)マツダの規定では、RB-15で施工すると決めて居ります。 電気窯や、壁にセラミック類をベニアリングする築炉の場合は RA-15で施工します |
次の別企画で、ガス窯の燃焼安全装置に付いて書いて行きます。
安全の為の提案として参考にして下さい。